chromic blog

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ボルト穴のサイズ宗教

ボルト穴

ボルト穴、ねじ穴、バカ穴、取付穴、貫通穴、、、、、、
これくらい言えば大体何の話をしているのか分かったと思うが、
「部品同士をボルトを使って固定する際に開ける穴」の話をしたいと思う。

そもそも、どれが正式な呼び方なのかはわからないし、個々によって微妙に意味が違う気もするがとりあえず今回はボルト穴で通そう。

なお、これから語ることはほとんどソース無しに語っているので間違っていても許してほしい。そして指摘してほしい。

ボルト穴のサイズには宗派が存在したのか

ボルト穴のサイズには宗派が存在したらしい。

この話の事の発端は先日の私のツイートを見てもらえばわかると思う。

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M3のボルト穴はΦ3.2が常識だと思っていた私にとって寝耳に水の話であった訳だ。寝耳に水は言い過ぎたかもしれない。しかし驚いたことに違いはない。

驚いたのでアンケートも取ったりした。

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母数が少ないので割合で判断することはできないが、少なくとも私のフォロワーの中の3人はΦ3.5で開けているらしい。マジか、、、

よく考えてみればどこかに明記されてるところも見たことないしこれは宗教戦争に発展か..........?

ちゃんと調べろ

そうやって安直に宗教戦争に発展させるのがよくないのです。いやほんとに。

 ツイッターでワーワー騒いでいたら、素晴らしい先輩がJIS規格にあったぞとリプしてくださった。持つべきものは良き先輩である。

実際のJISのPDFは持ってくることができないので気になる人は勝手に調べてほしい。下にJIS規格を元にした資料のリンクを貼っておく。

https://www.iwata-fa.jp/html/technicaldata/tec_other_10.pdf

見てもらえばわかる通り、M3ボルト用の穴の規格は1級がΦ3.2、2級がΦ3.4、3級がΦ3.6と記されている。ここでいう1級2級3級はiso273-1979の中にあるfine、medium、coarseの事だぜって書いてあったけどイマイチよくわからない。まあ品質みたいなところだろう。

とりあえず、JIS規格こそが全て!やはり精度が一番高い1級の規格に従っている私達が正義なのだ!!!

だから待て

この流れ飽きたとか言わないでほしい。

さて、JIS規格だけ見つけて満足せずにもっと色々調べてみようではないか。

 

https://www.nbk1560.com/resources/other/article/technical-22-dimensions-of-holes-for-hexagon-socket-cap-screws/?SelectedLanguage=ja-JP
鍋屋バイテック・・・Φ3.4

http://www.mitsubishicarbide.net/contents/mmc/ja/html/product/technical_information/information/hexagon_socket.html
三菱マテリアル・・・Φ3.4

http://www.al-plus.jp/service/al_box/a_data/h_size/index.html
Alumi-Plus・・・Φ3.2

http://www.mekatoro.net/digianaecatalog/kg-stockgear/Book/kg-stockgear-P0535.pdf
メカトロネット・・・Φ3.4

http://www.tokyo-sekkei.com/HP%20tokyo-sekkei/01_JIS_NEJI/01_jis_sun_zu_hyou_htm/jis_kiri_neji_zu_sun_hyo/dh2_ana_1-68_zu_sun_hyo.htm
東京設計センター・・・Φ3.4

https://cp.misumi.jp/tech/tech2.html
MISUMI・・・Φ3.5

父親(?)・・・Φ3.2~3.5

 

あっあれ、、、、、、おかしいな、、、、、、割と有名企業の中でも値がまちまちだ、、、、、、、というかΦ3.4が優勢、、、、?

ボルト穴をどう使う?

話は少し変わるが、はじめに載せたツイートは普通にサークルの先輩に捕捉され、「加工精度と加工速度との兼ね合いから、ボルトの固定のみによる位置決めを避ける設計にして最低限の固定だけしている(意訳)」という答えを頂いた。

 

、、、少し極端な例を出そう。その辺にあったHAKKOのはんだごての画像を下に貼る。

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ここに使われているボルトは、当然割れ目で分かれる2つの外装を固定する役割を持っているわけだが、果たしてこのボルト穴にギリギリの精度が必要だろうか?

この2つの外装は、接点に多少の凹凸があり、嵌め込むことができるようになっているだろうことは容易に想像できる。
だとすれば、ボルト穴がボルトの径ギリギリになっていなくても問題なく固定できるはずでは?

 

そもそもボルトの役割は回転軸と平行な方向の固定であって垂直方向の固定はあくまでついでであり、それに頼るのはあまり良くないように思える。
先ほどの例は少し極端だが、要は垂直方向の固定は別で補えばボルト穴の精度はほぼ関係ないはずである。
嵌め込み式にせずとも、他の2方向にもボルトを付け足せば良い話だ。

邪推

1つ前の話に戻るが、様々な企業のボルト穴のサイズの基準を調べた結果、Φ3.4がかなり優勢であった話。

結局その理由はこれにあったのではないか。ボルトの回転軸に垂直な方向の固定は普通の製品にとってあまり必要ではないからJIS規格でいう2級のサイズを主に扱っているのでは...なんて邪推をしてみる。
精度出さなくていいならコスト削減にもなるし。

真相はその道の人に聞いてみないとわからない。誰か教えてください。

結局宗教では?

いやでも私が作ろうとしてるの競技用ロボットだし。製品なんて関係ないし(without 身も蓋)。

 

実際ボルト穴のサイズを大きくすることの利点は加工精度が悪くても使えるってことだけであり、加工精度さえよければサイズが小さくても何ら問題はないはずである。

むしろ全方向の固定ができるんだからお得じゃん。
剛性も高くなるじゃん。
無駄に違う方向の固定用のボルト増やす必要もないじゃん。
ということで私はΦ3.2の方が好きです。

しかし、Φ3.4でもΦ3.5でも全く問題ない。結局のところ人の好き嫌い、宗教の問題。
というのが今回の結論だ。

 

うーーーんなんだか不完全燃焼感が否めない。
何か合理的な説明ができる人がいればぜひぜひコメントしてほしい。
よろしくお願いします、、、、、、、。